㍿ダイパレ|物流の未来を切り開くスタートアップの挑戦とビジョン

2024年7月19日

物流の未来を切り開くスタートアップの挑戦とビジョン

インタビュー対象製品ラクパレ

トラック用簡易段積みパレット。2段積載可能であることから、トラック内のデッドスペースを削減できることはもちろん、積み込み前の準備、荷下ろしも扱いが楽になることで、輸送効率改善を実現した画期的な製品。


会社名

株式会社ダイパレ

設立

2023年8月4日

住所

愛知県豊橋市新栄町鳥畷70番地

業務内容

物流機器の製造・販売


代表取締役社長 鳴神 法光 様

中国製造によるメリットはあるが品質が心配だとのお声もよく聞きますが、日本品質を維持する為に駐在の社員が検品を実施し、出荷まで確認をしています。私共は最高の商品を提供し「お客様の夢を運ぶ物流機器パートナー」となるべく、社員一同全力で事業に邁進しております。


今回お話を伺うのは、株式会社ダイパレの皆様です。

ダイパレ様とは、オリジナル製品の「ラクパレ」に関する特許出願、商標登録出願をきっかけに、お仕事をご一緒しました。

あらゆる物流機器がある中で、唯一無二のパレットを製造・販売をスタートしたダイパレ様。前身となる貿易商社として培った中国工場とのお取引を活かし、同事業を設立されました。物流業界における課題が注目を浴びている中、同製品が生まれたポイントをお聞きしていきます。

製品開発の過程で欠かせない製造パートナーの探し方、模倣防止や価格設定についての経緯もお聞きしましたが、今までにない新しい製品であることから優位的、効率的に進められていらっしゃる姿が印象的でした。中小企業の取るべき戦略はニッチ戦略であるところ、まさにこれを体現されている素晴らしいビジネスですので、ぜひご一読ください。

会社設立の経緯

竹井  今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まず、株式会社ダイパレの設立について経緯を教えていただけますか?

ダイパレ  ダイパレの設立は2023年8月になります。その背景には、10年以上にわたって行ってきた物流機器全般を扱う貿易事業を行う前身となる法人があります。その前身の法人は1社のお客様のみに限ってお取引を行ってきました。その事業を通して、様々なノウハウを得ることが出来まして、今後はこのサービスを様々な企業様へご提供していくためには新しく法人を立ち上げる必要性が高まり、昨年設立をしました。

竹井  ダイパレさんとしての強みはどのような点にあるのでしょうか?

ダイパレ  当社の強みは、国工場で製造・生産をすることでコストを抑えつつ、日本の品質基準に合わせた製品を提供できる点が大きな強みとなっています。大手企業への納品経験を持つ、信頼できる中国の工場と10年以上にわたる取引を通じて培ったノウハウもあります。特に、日本市場向けに製品を最適化するためには、細かい設計変更やカスタマイズが必要なため、柔軟に対応できる工場さんとの繋がりがしっかりしています。

竹井  中国の工場と長年の関係を築いているからこそ、コストと品質のバランスが取れた製品を提供できるのですね。

今回の製品の概要

竹井  今回開発された「ラクパレ」について具体的に教えていただけますか?

ダイパレ  「ラクパレ」は、物流の効率化を目的としたパレットです。工場間輸送などで使われることが多いです。もともとは海上コンテナ向けに設計された製品で、積載効率を上げるための設計が施されています。しかし、日本国内の物流においては、トラック輸送が主流であり、そのニーズに応じて設計を見直しました。結果として、トラック内のスペースを有効活用できる設計に仕上がり、これにより荷積みや荷降ろしの時間を短縮し、物流コストの削減が期待できる製品となっています。

ニーズの把握

竹井  お客様からのニーズはどのように取り入れていますか?

ダイパレ  実際に製品を使用する現場の声を聞きにいくことを重要視しています。そうすることで実用的な製品を作ることができるので。たとえば、「積載効率をもっと上げたい」という要望や、「荷積み時間を短縮したい」といった具体的なニーズに応じて、設計を見直しました。お客様の紹介から、見込み顧客の皆様のもとへ直接伺うことで、現場のニーズを細かくヒアリングし、それを製品に反映させることで、より使いやすい製品が出来上がると考えています。

チーム編成

竹井  開発チームの役割分担について教えていただけますか?

ダイパレ  当社は営業・物流・財務の経験に長けた4人のチームで動いており、全員が情報を共有し、意見を出し合いながら進めています。各メンバーがそれぞれのお客様と直接コミュニケーションを取り、得られたフィードバックを持ち寄り、製品の改良に反映させるという流れです。こうしたフラットなチーム体制が、迅速かつ的確な製品開発を可能にしていると思います。

影の努力と次への活動

竹井  全く新しい商品ということで開発&営業活動も苦労されたと思いますが、いかがですか?

ダイパレ  「ラクパレ」の開発&営業のために50社以上訪問しました。その際にこんな特徴があれば良いなどのリクエストをお聞きしました。その甲斐あって多くのお客様からご発注いただいています。そして、次の製品開発に活かすために、さらなるフィードバックもお伺いしております。

知的財産を取得した理由

竹井  特許の出願に挑戦しようと思われた理由を教えていただけますか?

ダイパレ  特許出願は、製品のブランド力を高めることと、模倣品の出現を防ぐために行いました。物流業界において、革新的な製品を開発することはもちろん重要ですが、その独自性を守り継続的に事業を行える状況をつくるためにも特許出願は必須だと考えています。またブランド力を高めるという点で、特許によって、製品に対する信頼感や市場での優位性も向上すると考えています。

補助金の活用

竹井  新しい商品の開発となると様々な補助金を活用できるチャンスですが、これまでにどのような補助金を活用されましたか?

ダイパレ  今のところ自治体が提供する知的財産関連の補助金を利用しました。特許申請1件につき約半額程度の補助金を取得できました。補助金制度のスケジュールに沿えず、タイミングが合わないこともあるのですが、状況があえば今後も様々な補助金を活用していきたいです。



パートナー探し

竹井  試作品製作や量産にあたって、製造パートナーはどのように探されていますか?

ダイパレ  今回の製品「ラクパレ」は、これまでの付き合いがある工場に製造をお願いしました。今、次の製品も開発していて、新しい工場とのお付き合いがはじまっています。

まずは現地中国へ足を運んで、地元の物流会社さんから製造工場の情報をいただきました。それを基に自分たちでコンタクトを取って、返事があったところへ行って、現地を見て、協力的な工場かどうか見極めました。 我々の場合、既製品をオーダーするわけではなく、こちらのアイデアを取り入れて造っていただくため、長期的に良い関係が築ける相手かどうかがとても重要でした。

価格設定

竹井  価格設定はどのような考えで行いましたか?競合製品とかも意識されましたか?

ダイパレ  我々はメーカーとしてやっていくので、直販というよりは卸業も視野に入れているため、代理店さんの利益も考慮して設定しました。また、競合製品はあると言えばあるのですが、基本的には構造的に全く違う唯一無二の製品なので少し優位性を持たせた販売価格にしました

竹井  オリジナル製品だと価格競争に巻き込まれず、決定権が持てるのはいいですよね。

今後の目標

竹井  最後に、20年後の未来について伺いたいのですが、ダイパレが目指す未来を教えていただけますか?

ダイパレ  私たちは、物流機器の分野でメーカー名の「ダイパレ」で選ばれるようになることを目指しています。現在、物流業界で有名なメーカーは4つほどあるのですが、そこに食い込めるよう進めていきたいです。